2003年 3月17日(木)KBS京都 京都最新情報 AM12:00〜
「おすすめ京案内 正真正銘 男前のパン職人」
レポーター 松原美穂
【放送内容】
【スタジオ】
今週は京都の男前特集ということで、才能あふれる若きパン職人を取材してきました。
【ナレーションとともにスタート】
松原アナ: 私が訪れたのは京都駅のすぐ近く西洞院七条。
この真新しいパン屋さん「ルーク」が今回の舞台です。
オープンから2年 美味しいという評判が口コミで広がり毎日沢山の
お客さんが訪れます。どれほど美味しいのか一つ頂いてみました。
(モーンプレンダー 黒けしの実のペストリーを食べて見る)
松原アナ: 美味しい。 美味しいです。あの何やろ、甘さと・・口の中で何か・・
コレ何ですかね・・黒けしの実が入ってます。中で不思議なフルーティーな
味が広がります。
店内にさりげなく飾られたトロフィーにご注目ください。これはアメリカで行われている
国際的なパンのコンクールで優勝した時のもの。ルークのパンは世界が認めた味なんです。
そんな素晴らしいパンを作る職人さんがこの方。ルーク店長の戸口温善さんです。
今では、市内の有名イタリア料理店から注文が来るほどの人気店。まずは朝の
配達に同行させて頂きました。
【松原アナ撮影 配達の車の中で】
松原アナ: これからどこに向かうんですか?
店長 : これからイタリア料理店 2件まわっていきます。
松原アナ: 2件まわるんですね。
あの、お店の方なんですけども、売りきれたり すごい今は大人気なんですけども、
それまで、ここに辿り着くまですごく苦労されたんですか?
店長 : 苦労もありましたけども楽しみもありました。
松原アナ: 楽しみ?
店長 : 両方ですね。
苦しみより楽しみの方が多かったのでやってこれました。
松原アナ: パン屋さんにね、なりたいなっと思ったのは何歳くらいですか?
店長 : 何歳くらいでしょうね・・22,23歳くらいですかね・・。
松原アナ: 大人になってからなんです?
店長 : そうですね、働き始めた頃はパン屋さんになろうなんて思ってなかったんで・・
松原アナ: と言う事は、働き始めってことは別の職業も?
店長 : っと言うか たまたま働いたところが、パン屋さんだったんで・・。
松原アナ: たまたまご縁があって?
店長 : それでやっている内にどんどんパン屋になりたいなって。
松原アナ: どこかで修行とかされたんですか?
店長 : 個人店ではじめ5年ほどいってて、そのあと大手に移ってそこでも5年くらい。
【イタリア料理店に着く】
到着したのは東山にある、IL GHIOTTONE イルギオトォーネ 1ヶ月先まで
予約が埋まっている大人気のお店です。人気の秘密はもちろんその味!
超一流のシェフ 笹島さんにルークの魅力を伺いました。
笹島シェフ: 色んなところのパンを実際京都で食べてみましたよ。
でも、やっぱり彼のところが一番自分のやってるその料理にしっくりくる
って言うのはありましたね。
あの、正直・・結構何ですか・・彼 ムラもあるんですね。だけど、あの人の
性格っていうか料理と一緒でそういうのが出ますし、あと僕らの意見を非常に
聞いて下さる。今やってるこういう料理やからもうちょっとこうがいいとか・・
例えば、彼には彼の当然プライドがあると思うんですけども、それでも、やっぱり
彼のプロだと思うのは、僕らは逆にお客さんですよね・・?だから僕らのニーズって
いうか、僕らが例えば、こういう料理をやってるから深く焼いてほしいとか、もうちょっと
塩を控えて欲しいとか、そういう細かなリクエストに関してすごく的確に答えていただけ
るんです。そこはやっぱりプロとしても仕事だなあって思うんですよね。
そこがやっぱりすごくプレキシブにやってくれるというのが魅力ですね。
たった一人で100種類以上のパンを焼いている戸口さん。毎日の睡眠時間はわずか
3時間ととてもハードな仕事です。どれほど大変な仕事か戸口さんと一緒にパン作り体験
させて頂くことにしました。
【店内でパン作りスタート】
生地を捏ねるところからはじめる が松原アナかなり苦戦
パンの発酵温度は24℃がベストですが、2人のは26℃と高めになってしまいました
パン作りで大切なのはイースト菌の発酵具合を見極める事。生地の捏ね具合や、
その日の気候で微妙に変化します。経験と感がものを言うまさに職人の世界なんです。
【2人で焼いたパンを試食する まずは自分の焼いたもの
それから店長が焼いたものを食べる松原アナ。】
松原アナ: 私が作ったやつより(店長のものが)ふわふわしてる・・。弾力があって・・。
私が作ったものよりずっと美味しい戸口さんのパンですが、作った本人は納得できない様子。
いつも、お店に並べているパンを試食させていただきました。
松原アナ: 穴がいっぱい開いてますね・・。ふうふわ
店長 : すごい軽い感じでいけると思いますよ。
松原アナ: 軽い、フワフワ・・美味しいです。
私のパンは硬くなっちゃったし、戸口さんのパンも今日は失敗やっておっしゃったん
ですけども何が悪かったんですか?
店長 : そうですね、こちらの方(松原アナの方)はおそらく成形の段階で生地に無理がかかって
きたと思います。
松原アナ: 余計な力がかかったんですね。
店長 : やっぱり生地をやさしく触わりながら形を作ってあげる
松原アナ: なるほど やさしさ足りなかった・・
店長 : そうですね・・。
こっちの方(店長の方)は水分を窯に入れた後に 蒸気を掛けるんですけども、
ちょっとかけすぎたりとか、あと練りすげて生地がずっと絞まってきたっていうので、
おそらく生地が強すぎて逆に生地が開かなかった・・。僕も失敗ですね。
将来が楽しみな若き才能は毎日どんなことを考えてパン作りに取り組んでいるんでしょうか?
松原アナ: 戸口さん 今まで色んなパンを作ってこられたんですけども、パン作りの
魅力って何ですか?
店長 : 自分自身で時間をかければかけるほどパンの味は美味しくなってくる。
時間をかけてあげるとその分パンって正直に全部答えてくれるんで
そう言うところが楽しみで続けられてますね。
松原アナ: 今後の目標を
店長 : 今後ですね・・出来るだけその美味しいパンを作り続けるっと言うか守り
続ける・・
松原アナ: 守り続ける?
店長 : 出来るだけ、そのフランスが作っているフランスパンとかドイツがやってるドイツパン
それぞれ各国の本当の味、昔からの味を、出来るだけここで作って・・・
作り続けていきたいですね
【スタジオにもどる】
松原アナ : はい、ということで今回はお土産があります。戸口さんが作った焼きたてパンです。
女性キャスター: 焼いてきてくださったんですか?
松原アナ : そうなんですよ、VTRの中で失敗したパンをテレビで流されるのは困る
ということで今日お休みなのにわざわざ焼いて持って来てくださったんですよ。
女性キャスター: 納得いくパンを・・
男性キャスター: 気泡が多くってよく焼けていますね。
女性キャスター: 見るからにフワフワなんですよ。
松原アナ : どうでしょう?やさしさを込めた愛情のパン・・
女性キャスター: 皮の部分がすごい香ばしくって良い香りが広がりますね。
男性キャスター: 香りがいいですね。
女性キャスター: 失敗作がどんな味だったのかわからないですけども・・
松原アナ : いや、失敗作も美味しくって私は家に持って帰らせてもらったんですが・・
男性キャスター: イルギオトーネ?のシェフが時々 彼ポカもありますけども・・
ってコメントよかったですね。
女性キャスター: ムラがあるって・・ね
男性キャスター: いやいや、真実みがあって、美味しいですよって いやーなかったからね・・。
松原アナ : 荒削りの中にも何か光るものがある。本当にパン作りの話をしている時は、
眼差しがキラキラしていて、元々造形的に男前なんですけどもパンの話を
している時は素敵なんです。ヒーローみたいな顔して・・。
女性キャスター: パン作りのヒーローですかね
松原アナ : 今でも、充分美味しいパンを作られているんですけども、一番美味しいパンって
定義がないじゃないですか。どれが一番美味しいパンっていうのがなくて、
それを日々、コレがいいんじゃないかアレがいいんじゃないかって日々研究して
努力されている。
男性キャスター: 勿論、焼き加減とかそういう技術的なことがないと出来ないでしょうけど、
一つにもとの小麦粉がよくないとおいしいパンはできないわけでしょう。
松原アナ : それはその辺もこだわってらっしゃると思んですけどもね。
パンを運んでいる後姿、背中に職人の頑張りがオーラをでてましたね。
【最後にルークのお店案内をしてもらい番組終了】